2002年2月26日(火)15:21

EU拡大に遅延の恐れ

プラティマ・デザイ

ロンドン(ロイター)

ロイターのアンケートによれば、農業補助金を巡る争いならびにフランスとドイツの選挙がEU拡大を遅延させる恐れがある。

火曜日に発表された、政治と経済分野の53人の専門家に対するアンケートの結果によれば、2004年の新規加盟の目標期日を守るのは難しいと予測されている。しかし2005年の東中欧10ヶ国の加盟については見込みがあるという。EUは昨年11月、ポーランド、チェコ、ハンガリー、スロヴェニア、スロヴァキア、ラトヴィア、リトアニア、エストニア、キプロスおよびマルタが2004年の欧州議会選挙に参加できるよう、同年の受け入れを目標に掲げた。

加盟を延期すれば、EUは有権者に不人気の妥協をまとめる時間がさらに1年稼げることになる。フランスとドイツは選挙を目前に控えており、現在のところこうした妥協の余地は少ない。両国政府は農民票を頼りにしているからである。

欧州委員会は、加盟候補国の農家に対し、加盟直後は現加盟国の受給額の25%を支給するという提案を行った。全額支給は10年後となる。この額はポーランドのような重要な加盟候補国には少なすぎるとされる一方、ドイツのレナーテ・キューナスト農相(緑の党)など、いくつかの現EU加盟国の代表は、大盤振舞いに過ぎるとしてこの提案を批判している。

もしEU加盟が遅れる事態になれば、通貨同盟加盟の可能性も遅れることになる。新規EU加盟国はユーロ圏に加盟するまで最低2年間は待たねばならない。アンケートでは、スロヴェニアがユーロ加盟の見込みが最も大きいとされている。しかしユーロ圏加盟には加えて経済的基準の遵守も条件とされている。

原題:EU-Erweiterung koennte sich verzoegern
Von Pratima Desai